2025.06.29 01:306/29 「夜空の星」 三浦 遙 聖句:フィリピ2:12-18 パウロはフィリピの信徒への手紙の中で、自身が後にした教会を励ます言葉を記しています。まだまだ未成熟であった教会は様々な艱難に遭い、不安定な状況であったためです。多くの手紙では厳しい言葉もありますが、このフィリピの信徒への手紙では喜びの言葉が多く記されていくのが特徴的です。しかしこの時パウロは「喜び」という言葉とは打って変わって、投獄中と...
2025.06.22 01:306/22 「愛のため」 三浦 遙 聖句:使徒17:22-34 「悔い改め」と聞くと、原文のギリシア語の「メタノイア」を逆から読むと「アイノタメ」になるというお話を思い出します。「メタノイア」は「視点、視座の転換」という意味の言葉です。そしてヘブライ語における悔い改めを意味する「シューブ」という言葉には「帰る」という意味があるのだそう。イエスの宣教の初めもこの「悔い改めよ、天の国は近づいた」という言...
2025.06.15 01:306/15 「招きに応えて」 三浦 遙 聖句:エフェ1:3-14 イエスは福音宣教の中で、「重荷を追うものは誰でも来なさい」と言われました。また、子ども達が来るのを妨げてはならないと弟子達を叱る姿もあります。当時の社会の中で、一見相応しくないと思う者であっても、イエスは自身の元に招いてくのです。イエスはその生涯と、また自身の贖いの死を通して、全ての人を救いへと招き、導こうとされる。しかし、その招きに対...
2025.06.14 07:316/8 「心の回復」 三浦 遙 聖句:使徒2:1-13 教会の誕生日とも言われる聖霊降臨日/ペンテコステ。弟子達が集まり、新しい弟子の選出をした際に、神の霊が下り、弟子達が様々な国の言語で語り始める様子が描かれていきます。ペンテコステの出来事では「激しい風」や「炎のような舌」という言葉で神の霊を表現していまいた。旧約聖書では「霊」と「風」が同じ言葉で表現されていますし、またモーセの召命と神の...
2025.06.01 01:306/1 「信頼の内に委ねて」 三浦 遙 聖句:ルカ24:44-53 イエスの復活と昇天の物語を読む時、いつも疑問に思うのが、何故イエスは自分自身で宣教を続けられなかったのかということです。イエスが復活したのであれば、自分の姿を示した方がより多くの人が信じたのではないかとも思います。しかし、イエスはそうなされませんでした。福音宣教を弟子たち、もっと言えば人間に委ねるという事が必要であったのだと言われます。...
2025.05.25 01:305/25 「この祈り」 三浦 遙 聖句:マタイ6:1-15キリスト教会で毎週祈られる「主の祈り」。その祈りについて弟子達に教える様子を描いた今回の箇所では、祈りの中でどのようなことが必要となるかを教えてくれます。祈りの中にある「負い目を赦してください。私達も赦しまたように」という言葉は、神との関係において特に重要なものです。偽善的で一方的な祈りではなく、「赦し」の実践を通して神との関係を見つめて...
2025.05.18 01:305/18 「内におられる」 三浦 遙 聖句:ヨハネ14:1-11 「心を騒がせてはならない」というイエスの言葉は、裏切りの予告や訣別の言葉を受けた弟子達の不安を見通しています。そして、「信じなさい」という言葉や「あなたがたのための場所」という言葉で安心を与えようとしていました。しかし、イエスもまた心を騒がせている様子が13章の裏切りの予告の場面で描かれていきます。ここでの弟子達への言葉は、自身の受難を...
2025.05.11 01:305/11 「再建の主」 三浦 遙 聖句:ヨハネ11:17-27 ヨハネによる福音書11章には、ラザロの死と復活をめぐる劇的な物語が描かれています。イエスと親しかったベタニアの三姉弟、マルタ、マリア、ラザロ。そのラザロが病に倒れたとき、姉妹はイエスに知らせを送りますが、イエスはすぐには向かわず、二日間留まりました。イエスの取り巻く環境には多くの迫害者がおり、弟子たちにとっても動くことは避けたかったので...
2025.05.04 01:305/4 「見えないけれど」 三浦 遙 聖句:マタイ12:38-42 マタイによる福音書12章38〜42節では、律法学者たちがイエスに「先生、しるしを見せてください」と願う場面が描かれています。これは彼らがイエスの教えに心を動かされながらも、しかし完全には信じきれない様子を表していのでしょう。「あなたが神の子なら、その証拠を見せてほしい」という学者らの願いは、まさに信じたいけれど確信が持てないという、人間...
2025.04.27 01:304/27 「聞くこと」 三浦 遙 聖句:マタイ28:11-15 イースターの物語において、イエスの復活を喜ぶ人々がいる一方で、それを受け入れず、裏で動いた人々の姿も聖書には描かれています。イエスの墓を守っていた兵士たちは、墓が空になったことを総督ではなく、祭司長たちに報告しました。これは不思議な行動です。本来なら彼らはローマの支配下にある兵士だったからです。にもかかわらず、祭司長たちはこの兵士たちに...
2025.04.20 01:304/20 「贖いのしるし」 三浦 遙 聖句:マタイ28:1-10 イースターおめでとうございます。イエスの復活の物語はマグダラのマリアともう1人のマリアという女性たちによって紡がれていきます。この2人は安息日が終わった週の明け方の朝早く、最も早い段階でイエスの墓を訪れていました。というのも、イエスの十字架での死とその埋葬を遠くからずっと見つめてきたのがこの女性達であったのです。女性達はイエスの死を見つ...
2025.04.13 01:304/13 「待っている」 三浦 遙 聖句:マタイ27:32-56 イエスが受けられた苦しみは私達には想像もつかないほどに痛々しいものです。イエスの十字架の物語はその生涯の意味、使命を表すもの。それは私達の罪を背負うことだけではなく、私達の痛みに共感するためでありました。イエスの受難はこの世で受けうる最も深い苦しみです。弟子達に裏切られ、群衆に蔑まれ、神にすら沈黙される。十字架とそこに至るまでの肉体的な...