2025.02.02 01:302/2 「祈りの家」 三浦 遙 牧師 聖句:マタイ21:12-17 エルサレムに入城してすぐの物語に位置するこの物語は「宮清め」とも呼ばれています。印象的なのは、冒頭に描かれていた、エルサレム神殿に入った後に台や腰掛けなどをひっくり返し、客を含む商人達「皆」を追い出したイエスの姿です。ここでの商売は「礼拝に使う動物など」を遠方からきた信者に売るというもの。神殿での商売はローマ帝国の法に則る合法的な行いで...
2025.01.19 01:301/19 「私達が用いられる時」 三浦 遙 聖句:マタイ4:18-25 福音書によってイエスの弟子達の登場の様子は異なります。その中でも印象的に描かれるのが4人の漁師を弟子とする物語です。荒野で40日間誘惑を受けられたイエスは、ガリラヤにて宣教を始めます。そして、ガリラヤ湖で漁師をしていたペトロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネの4人を弟子としました。しかし、疑問に思うのは「私について来なさい。人間をとる漁師にしよ...
2025.01.12 01:301/12 「わたしの愛する子」 三浦 遙 聖句:マタイ3:13-17 イエスは宣教活動の前に、洗礼者ヨハネの元を尋ね、洗礼を受けられました。イエスも洗礼を受けるのか、と意外に思われる方もおられるかもしれません。この洗礼は、ユダヤ人にとって自分たちの歴史を思い起こさせるものでもあります。旧約聖書のノアの方舟の物語では、水によって全ての悪が洗い流され、出エジプトの物語ではモーセが海を割り、エジプトの兵士達は水...
2025.01.05 01:301/5 「蛇の曲がり根性」 三浦 遙 聖句:マタイ2:13-23 明けましておめでとうございます。 クリスマスの物語に登場するヘロデ王は36年間在位していました。ローマ帝国に属する王位ですが、それだけ長く強い権力を持っていたことがわかります。今回の箇所で、主の天使に従いエジプトに避難するマリア達。イスラエル民族のアイデンティティの一部である出エジプトとの繋がりを彷彿させる物語です。ヘロデ王はベツレヘム...
2024.12.29 01:3012/29 「ずっと一緒」 三浦 遙 聖句:ヨハネ1:1-14 ヨハネ福音書は、4つの福音書の中で一番最後にまとめられたものです。言い換えれば、マタイ、マルコ、ルカというイエスの物語を既に読んでいる人々に向けて記されたものといえるかもしれません。少し独特な表現の言葉ですが、1章の前半では救い主イエス・キリストの本質と生涯をまとめた言葉が記されていました。 「初めに言があった」から始まるこの文章。「言...
2024.12.22 05:4012/22 「諸人こぞりて」 三浦 遙 聖句:ルカ2:1-20 クリスマスの物語で、疑問に思うことがあります。それは、幼子イエスが家畜小屋で産まれた経緯があまりにも理不尽すぎるということです。住民登録のため、宿が一杯であったことは想像できますが、出産間近の妊婦を突き放すことがあるのでしょうか。ここには、マリアに対する差別的な目線があったのだといわれます。夫ヨセフがマリアを受け入れる物語がありますが、...
2024.12.15 01:3012/15 「先駆者」 三浦 遙 聖句:士師13:2-14 士師記に登場するサムソンの誕生の物語。その様子は新約聖書で描かれるクリスマスの物語や洗礼者ヨハネの誕生物語ととても似ています。サムソンの母は、マノアという男の妻で、不妊の女であり子どもを産んだことがなかったとされています。しかし、主の御使いが現れて、「あなたは子どもを産み、ペリシテ人からイスラエルを解き放つ先駆者となる」と告げられます。...
2024.12.08 01:3012/8 「差し伸べる手」 三浦 遙 聖句:イザ59:12-20 身近な人や仲の良い人と先入観無しに新しく出会っていくというのは、難しいことです。わたし達にとっても、今までの印象や思い出などの積み重ねによって、交わりを深めていくものだと思われます。しかし、それだけではない。人は神様によって一瞬で、たった一言で大きく変えられ、新たにされるものであると聖書が示しているからです。聖書において、中心的に語られ...
2024.12.07 02:0012/1 「打ち直されて」 三浦 遙 聖句:イザ2:1-5 旧約聖書のイザヤ書は、時代を跨いで「イザヤ」という名を受け継いできた預言者の言葉が記されています。イザヤの預言の中で中心的に語られるのはダビデの末裔から出る理想の救い主の姿です。今回の箇所ではその救い主が与える平和が示されています。この箇所が書かれた時代は、エジプトとアッシリアとの間で軍事的な対立と緊張の時代でした。多くの人が戦に疲れ、...
2024.11.24 01:3011/24 「1/10の収穫」 三浦 遙 聖句:申命14:22-29 毎週の礼拝では「献金」という形で、日々の感謝を献げる時間があります。現在ではお金ですが、聖書の時代における捧げ物はその多くが収穫物でありました。それらの収穫物は「日々の糧」や「神様からの恵み」であり、その一部をお返しすることで、感謝を示していたのです。今回の箇所では、その収穫の十分の1を献げるようにと定めた言葉が記されていました。申命記...
2024.11.17 01:3011/17 「主の言葉が来る」 三浦 遙 聖句:申命18:15-22 荒野の40年を経て、イスラエル民族の新しい世代に向けて言葉を語るモーセは、イスラエルの人々に「あなたの中から預言者を立てる」と告げていました。主が新たに人を加えるのではなく、民の中から選ばれていくというのです。預言者の語る言葉は、まさに神様ご自身の言葉であるからこそ、聞き従いなさいと力強く示していきます。 預言者は、指導者とは異なるもの...
2024.11.10 01:3011/10 「平安の約束」 三浦 遙 聖句:創世13:1-18 イスラエル民族の祖であるアブラム(後のアブラハム)の旅は、まさに主に従う信仰がよく示されたものです。アブラムはある日突然に主によって「旅」を命じられ、行き先の分からぬまま従っていきました。今回の箇所では、その旅において人数が増え過ぎたために、甥のロトと別れて歩み始める様子が描かれています。 元々、アブラムの旅は主なる神の召命によって始ま...