7/21 「確かに信じる」 三浦 遙 聖句:ロマ14:13-23
キリスト教を多くの人に知らせたパウロは、宣教だけはなく、色々な教会の相談役としても活躍しました。今回の手紙もローマの教会へ宛てて書かれたもので、教会の悩みに対して応答しています。パウロはキリストを信じる人の生活について話をしており、今回は「自分も他人も偽らず、躓かせないようにする」ことを示すのでした。というのも、ローマの教会で議論されていたのは、市場で売られている肉が他の宗教儀式で用いられたものであって、そのことは大きな問題であるという声があったためでした。主なる神を信じているのだから、他の偶像に捧げられた肉を食べるのは信仰に反するという意見です。しかし、実際にどの肉が偶像肉なのか判断もできなければ、社交の場で出された肉料理を食べないわけにもいきません。そのためその意見を聞き、強く不安を抱いた人々の中には、すべての肉を食べない人もいたほどでした。
しかしパウロは、肉自体に汚れなどはあり得ないと言います。問題は食べる物ではなく、「隣人に寄り添うことが出来ているか」であると。偶像肉を食べることを不安に思う人や気にせず食べていた人に自身の信仰に基づく身勝手な「正義」をぶつけ、惑わせること。それは、自分の「正義」を振りかざして、他人の信仰の歩みを躓かせているに過ぎないのだというのです。特に、偶像肉を食べることに不安を覚える人に「仕方がないことだから、気にせず食べろ」というのではなく、少なくともその人の前では「不安なら一緒に食べないでいよう」と寄り添うべきだと。そこに愛があるのだと。
今の私たちの日常においても、同じようなことが多くあります。不安を煽るような言葉や、納得がいかないことでも必要に駆られてしなければならない時もあります。確かなものが分からない時、強い不安を感じるものです。しかし、覚えておきたいのは、どのような状況であっても、自分と鄰人と愛を持って歩めているのかということ。何より、神様に対して誠実に愛を示すことが出来ているのかということです。確かに信じる、その信仰を持って、愛ゆえに、自分も他人も偽らず、躓かせないようにするような、支え合う交わりを成していくことが出来ますようにと祈ります。
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