6/9 「初心へ」 三浦 遙 聖句:1ヨハ2:22-29
キリスト教の教会では6月の第二日曜日を「花の日/子どもの日」と定めています。それは、花の多いこの時期に、子ども達がスクスクと成長していくことが出来るよう神様に祈るのと同時に、花や子どもの成長が神様によって促され、守られていることを思い起こす日とされます。全ての人が急に大人として生まれるわけでもなく、花や植物も最初から花として咲くわけではありません。全てのものには始まりがあり、子どもや種としての時があります。今回の箇所では、教会の歩みにおいて、その最初の一歩を思い起こすようにとの言葉が記されています。
当時の教会に宛てて書かれたこの手紙は、その教会が内部で議論があり、ひどく不安定であったために書かれたものです。福音書の物語を読み、イエスを信じるものとされた人々が、その後にそれぞれの解釈の中で対立してしまったのです。そんな不信感と不安を抱く人々に対して、この手紙は「初めから聞いていたことを、心に留めなさい。」と伝えます。それはその教会の人々が「御子を公に言い表した」時、言い換えれば信仰を告白し、キリストを信じて歩むことを志した日を示す言葉です。様々な議論が起こっていた教会に対し、この手紙はキリストが神の子であり、救い主であると信じるかどうかを問い、ただそのことを思い起こし、心に留めつつ歩むようにと伝えるのです。それは、迷い不安を抱く教会の人々にとってまさに初心を思い起こさせる、立ち返りの言葉であったのでした。
わたし達にとっての初心も当時の教会の人々と同じように、キリストを救い主と信じたあの日です。子ども達はまだキリストの物語も、福音も知らないかもしれませんが、これからその恵みに出会うかもしれないし、そこまでの歩みが神様によって守られ、成長を与えてくださいますし、そのことをわたし達も強く願い祈っています。わたし達はこれまでの歩みを思い起こす以上に、キリストを信じた日を思い出す時、これからも多くの人、そして子ども達に神様の御言葉と最初の時に与えられた恵みを伝えていくことが出来ますようにと祈ります。
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