1/28 「真理はあなたを自由にする」 三浦 遙 聖句:ヨハネ8:21-36
福音書の物語において、イエスや弟子達を非難する存在としてユダヤ人達の姿があります。イエスを救い主と認めず、聖書の言葉を自分たちの都合の良い解釈でのみ読むユダヤ人達はイエスと度々議論をしていました。今回の箇所でもそのような議論の様子が描かれていますが、ここでイエスは明確に自分とユダヤ人達との隔絶についてを言い表しています。イエスは「わたしは去っていく。」と、のちに弟子達にも伝える「自身の最後」について、ユダヤ人達に告げていました。しかし、ただ去るのではなく、その行き先があること、そしてそこにはユダヤ人達が来ることができないと言うのです。この言葉を聞いたユダヤ人達はイエスが死を予告していることを感じ取りますが、自分達こそが正しいと信じているユダヤ人達はイエスが自殺するのだと考え、自殺の先に行き着くのは天国ではないから「来ることが出来ない」と思い込んでいました。一応、「あなたは誰か」と問うユダヤ人達でしたが、結局イエスが神の子であるとは最後まで気づくことも信じることも出来なかったのです。
対して、自分を信じるユダヤ人達や弟子達に対しての言葉はまた独特なものでした。「わたしの言葉に留まる者が本当の弟子である。真理はあなたを自由にする」とイエスは告げています。その言葉に対して、「わたしたちは今、自由ではないのか」と問う声がありました。その問いはこれまで聖書を読み、信じてきたし、自分達が間違っていないと思っていたユダヤ人達にとって当たり前の疑問です。そこでイエスは「罪を犯す者は誰でも罪の奴隷である」と告げ、実は人々は皆、罪を背負って歩んでいると知らせるのでした。その罪を拭い去るために、神の子であるイエスが来られたとイエスは伝えています。
真理と聞いてもなかなかパッと理解できるものではないかもしれません。本質とか、正しい事としてのイメージはありますが、およそ真理を人間が理解することはできないのです。ここでの真理は言い換えれば神様そのもの。神を全て理解はできないけれど、当時のユダヤ人達や今のわたし達も神様やこの世の中や自分自身をも知ったつもりでいるのかもしれません。そうではなく、本当の自由を与えてくれるもの。わたし達を生かしてくれる神様やその御心を求め、知るために努めていくことが出来ればと願います。その真理が弱く不完全なわたし達を本当の意味で自由にしてくれる。そんなイエスの言葉を信じ、付き従っていくことが出来ますように。
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