3/19 「栄光と弟子」 三浦 遙 聖句:ルカ9:28-36
弟子たちに自身の受難を予告されたイエスは、弟子たちに「自分の十字架を背負い、従いなさい」と示されました。その八日後、イエスは弟子のペトロ、ヨハネ、ヤコブを連れて山に登り、祈られたとありました。すると、祈っているうちにイエスの顔が変わり、服が真っ白に輝き始めます。それだけではなく、同じように光り輝く二人の人物が現れるのでした。
ここでのイエスの変化というのは、新共同訳だと分かりにくいですが、原文を見てみるとイエスの顔が「全く別のものに変わった」と訳すことが出来ます。地上に生まれ、これまで生きてきたイエスとは全く違う人物の顔に変わっていくというのは、恐ろしいようにも、不思議にも感じます。これは、イエスが弟子たちに「わたしを何者だと思うのか」と尋ねた際、弟子を代表するペトロが「神からのメシア」であると告白したことに応えたといえるかもしれません。人々には今まで見せることの無かったイエスの栄光の姿、本来の姿を弟子たちの中でもペトロ、ヨハネ、ヤコブだけに示されたのでした。
ちなみに、モーセとエリヤは、旧約聖書を代表する人物ですが、モーセは律法を伝え、エリヤは預言者として重要な働きを成した。旧約聖書の律法と預言と、新しい契約であるイエスとが一堂に会し、イエスのエルサレムでの最後について話し合っていくという、あまりにも重要な場面に、ペトロ達は出くわしたのでした。その時ペトロは「ここに仮小屋を3つ立てましょう」と言い出しています。それは、この重要な3人を地上に留めておきたいと願ったからでしょう。しかし、その応答は「これはわたしの子、選ばれた者。」という神からの言葉でした。この時、ペトロ達はイエスが本当に神からのメシアであると知らされるのです。
加えて、「これに聞け」と神は言われました。それは、イエスの役割が十字架で死ぬことだけではないという事でもあります。これまでの、そしてこれ以降の全ての言動に耳を傾けよと示されるのです。弟子たちはその言葉を聞いて、イエスのこれまでの教えを思い起こしただろうと思います。そして、誰にもこれらのことを言わなかった。イエスの言葉に聞き従い、付き従っていくようにと弟子たちも思いを新たにしていったのでした。
わたし達にとっても、イエスの言葉は過去のものではなく、日々の様々な場面で示されていきます。「これに聞け」という言葉を日々思い起こし、主のみ言葉に聞き従って歩んでいくことが出来ますように。
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