2/5 「忍耐は実りを」  三浦 遙  聖句:ルカ8:4-15

 待つことというのはなかなかに難しいものです。いつの時代も、「若い世代はせっかちで忍耐が足りない」と言われ続けてきました。しかし、それは一概に弱さが増しているというわけではないのかもしれません。それは、これまでの苦難とはまた違った苦しみがあり、人それぞれ、世代が違えば担う苦しみも違っているからです。今回の箇所では「種を蒔く人のたとえ」とその説明が示されていました。それぞれの場にまかれた種が、踏まれたり、食べられたり枯れたりと、実りを迎えることが出来ませんが、良い土地に落ちた芽は多くの実りを得たこと。そしてそれらは、神の言葉を受けた人々の心のありようを示しているのだと説明されていきます。

 神の言葉が実らない苦難として、悪魔の誘惑や試練が挙げられていました。神のみ言葉を受け取っても、その言葉は様々な苦難によって枯れてしまうのだと。しかし、注目したいのは、蒔かれた種に示される苦難がどれも同じではないという事と、どのような苦難であっても、忍耐して実りを結ぶようにと同じ言葉がかけられているという事です。神の言葉を聞いても、それらを受け入れられない時があります。それは、その時々でわたし達の心の土地が荒れている時と言えるかもしれません。そんなわたし達であっても、神はみ言葉を分け隔てなく示してくださるし、わたし達がその言葉を受け入れ、忍耐をもって育てていきたいと願うのと同じように、神様も忍耐をもってわたし達に絶えずみ言葉を示し続けてくださっているのです。

 人も、神も、それぞれが違う苦しみを担いつつ、それでも愛と忍耐をもって受け入れ合っていく中に、大きな収穫の恵みが示されていく。わたし達も、違う苦しみを担いつつ歩むものですが、その忍耐がいつしか大きな恵みの収穫となり、喜びを分かち合っていくことが出来ればと願います。 

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