6/28 「諦めないで」 三浦 遙牧師  聖句:使徒13:13-25

 ピシディアのアンティオキアの会堂で、パウロはイスラエルの民の歴史を丁寧に振り返るところから語り出します。エジプトからの導き、荒れ野での歩み、サウル王やダビデ王の時代、そして洗礼者ヨハネを経て、救い主イエスへと至る大きな物語。パウロがそれを語り直したのは、神に呼ばれて歩んできた長い旅路が決して無駄ではなく、その一つ一つが今、救いへと結ばれているのだと伝えたかったのだろうと思わされます。順風満帆ではなかった時代も、痛みを伴った歩みも、すべてが神様の御手の中で救いへと結ばれていく道だったのです。

 鳳教会の69年の歩みの中にも、挫折を経験してきたことが確かにありました。けれども、そのすべての歩みも神様の御手の中で、すでに救いのために用いられている。今年度の方針「諦めないで」とは、無理にがんばろうという励ましではなく、神様がすでに備えてくださっている救いの確かさに、もう一度信頼を寄せましょう、という招きの言葉です。それは、隣の人との関わりにも通じます。「もう伝わらないかも」と感じる時にも、神様の方はわたしたちの交わりを諦めてはおられません。

 そして6月は、プライド月間。1969年のストーンウォールに始まり、世界各地で多様性が祝われる月です。週報のレインボーの旗は「すべての人がありのまま祝福される場であってほしい」との願いを込めて1978年に生まれ、6色はいのち、癒し、陽の光、自然、調和、魂を表します。これまで、自分自身を認めてもらうことを諦めざるを得なかった方々が大勢おられたことを、痛みをもって受けとめたいと思います。

 神様がお造りになった一人ひとりは、本当に豊かで多様です。歩んできた69年も、これから備えられていく時も、すべてが神様の御手の中で確かに結ばれている。だからこそ、宣教の歩みも、人との交わりも、自分らしく生きることも、諦めずに歩んでいきたい。本当に誇りたいのは、神様に導かれ生かされていることであり、その喜びを隣の人と分かち合い、共に祝っていくこと。それこそが、わたしたちの「プライド」であり、宣教でもあるのだと思います。